おじいちゃんと服

前の週末に彼女と買い物をして歩いてたら、なんだかフラフラ歩いているおじいさんとすれちがった。
今にも倒れそうで「大丈夫かなぁー」と思ってたところ、彼女が後ろに向かって歩いていく。
「んー?なんかあったのかー?」なんて余裕ぶっこいてたら、


ちょっ、おじいさん!倒れてるー!


近くに駆け寄ってみると、頭から倒れたみたいで、おでこから血がでてる。
とりあえず彼女に頼んで救急車を呼んでもらう。
はわー、どうしよー。
って動揺しても仕方ない。救急車が来るまでの間何も出来ないので、おじいさんの近くにいることにした。

おじいさんは相当酔っぱらっているご様子で、なんだか酒臭い。

おじいさん「兄さん、俺は77歳で弁護士なんだよぅ」
俺「はぁ...」

...

おじいさん「すまねぇなぁー、ほんとーに!俺のことなんていいからー!」
俺「今、救急車呼びましたからねー。救急車くるまでもぅちょっとですからねー。」

おじいさん「兄さん、俺は77歳で弁護士なんだよぅ」
俺「はぁ...」

ちょwwおまww
本当は弁護士って言いたいだけだろww

おじいさん、かなり必死らしくものすごい力で俺の手を握ってくる。
じいちゃん...その手...血まみれダヨ...

ああっ、その手でお気に入りの服に触らないでくれぇー!

ああ...俺のお気に入りが...
..仕方ない。服は諦めよう。

よほど寂しかったのか、すげぇ力でじいちゃんが手を握ってくる。
ついでにアツイ抱擁も受ける。

じいちゃん、俺はそういう趣味はないんだが。

そんなこんなでしばらくじいちゃんの相手をしてると、救急車が到着。

最初、救急車に乗るのを嫌がっていたじいちゃんも最後には救急隊員に担ぎこまれて無事運ばれたみたい。

たいした怪我じゃなければいいんだけどなー。

そして残されるお気に入りの服。



うーん、新しい服を買おう。